Japanische Klassiker mit Furigana
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でんきかんばんのしんけい
電気看板の神経
海野 十三
Lesen Sie 電気看板の神経 (でんきかんばんのしんけい) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.480 Zeichen · 29 Bildschirme
この光景を、見ていて見ていないふりをしている奴に、カウンター兼給仕長の圭さんというのが居る。これは本名を鳥居圭三という三十五にもなる男でカフェ・ネオンの現業員の中でも最年長者なのだ。こいつは、内々春ちゃんに気があるらしい。もっとも春ちゃんはネオンのプリマドンナだから、お客といわず、従業員といわず、なんとかなるものなら是非一度は桃色のチャンスを持ちたいものをと願っていなかったものは無かろう。給仕長の圭さんは、白い上着を酒瓶の蔭にかくしてなにか整頓に夢中になっているように見せて置いて、然るのち、その蔭に鈴江をよびこむと、春ちゃんの機嫌をわるくするようなことを言っちゃならねぇぞと、薄気味わるい表情と口調とで、訓戒を与えるのだった。面白いのは、訓戒を与えているのに、春ちゃんが気付くと、彼女は燕のように忽ち圭さんの前にとんで行き、「余計なおせっかいだよ、すうちゃん、あっちへ行っといで……」と逆に圭さんに喰ってかかる。圭さんはなにも言わないで、ニヤニヤ笑っているところで幕になるのが、毎度のことであった。その圭さんは、この幕切れには納りかねるものと見え、それから舞台裏のコック部屋へ入りこんで、コックの吉公と無駄口を叩きはじめる。