Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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でんしゃていりゅうじょう

電車停留場

豊島 与志雄

Lesen Sie 電車停留場 (でんしゃていりゅうじょう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.082 Zeichen · 31 Bildschirme

Aozora Bunko

それを横目にちらと見やって、彼女はくすくす笑い出した。

「何を笑ってるんだい!」

「怒ってるの。」と此度は彼女の方から尋ねかけてきた。

「白ばっくれるのもいい加減にしろよ。」

「あら、どちらが白ばっくれてるかしら?」

「君の方さ。」

「御自分じゃあないの。人の手を握ったりなんかして……。」

「だからそのことを云ってるんだよ。」

「私大嫌い、あんなでれでれした真似は!」

「おい三千ちゃん、本気で云ってるのかい。それじゃあ君は、僕が嫌なんだね。」

「嫌じゃあないわ。」

「じゃあどうしたんだい。僕は真面目なんだよ。ねえ、僕のスイートになってくれない。仲よしでもいいや。本当に僕は一生懸命に想ってるんだよ。君のためなら何でもするよ。監獄にはいったって構やしない。しろと云えばすぐにするよ。ねえ、いいだろう。」

「よかったり悪かったり……。」と彼女は歌うような調子で云った。

「じゃあ勝手にしろ。知るもんか。」と彼は怒った風を見せた。

「怒らなくってもいいわよ。……だから二人で歩いてるじゃないの。」

「歩いてたって何になるもんか。」

むりに脹らました彼の頬を、彼女は人差指でつっ突いた。そのために彼はぷっと放笑してしまった。