Japanische Klassiker mit Furigana
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れいかん
霊感
豊島 与志雄
Lesen Sie 霊感 (れいかん) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.268 Zeichen · 31 Bildschirme
すると、達吉はたいへんな頼みごとをもたらしてきました。
松しまでは以前、伏見の稲荷さんを祭って信仰していました。戦災後はそのままになっていましたが、女将さんとしては、再び祭るつもりではいたのです。そこへ、達吉からの話となり、女将さんはすっかり驚きました。伏見稲荷ということまで、どうして分ったのでしょうか。この前の、資金のことや、商売のやり方のことなども、そっくり腑に落ちるし、こんどの話は、一層胸にこたえました。商売柄、易者とか占い者とか、いろんなひとが来たことがありましたが、どこか空々しい感じでした。それが、今回は違います。達吉の母の友だちだとかいうことですが、どういうひとなのでしょうか。
女将さんは、もとは芸妓をしていたことがあり、もう六十歳を越していて、まだ元気で勝気でした。そして一徹な気象で、単純で、性急でした。達吉の母親の友だちというそのひとに、すっかり惚れ込んで、是非とも連れて来てほしいと達吉に依頼しました。丁度、建て増しのために、庭師もはいっているし、稲荷さんを祭るには、早速場所の選定をしなければならないから、それをそのひとにして貰うことにし、そして自分は、伏見稲荷の御礼を受けに、京都へ出かけて行き、日取りは帰ってきてから打合せようと、言い置きました。