Japanische Klassiker mit Furigana
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れいこんだいじゅうごうのひみつ
霊魂第十号の秘密
海野 十三
Lesen Sie 霊魂第十号の秘密 (れいこんだいじゅうごうのひみつ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 43.100 Zeichen · 86 Bildschirme
船員たちが、ハンドレールにつかまって、帽子をふって、岸壁へこたえている。煙突のかげからコックが顔を出して、ハンカチをふっている。隆夫のたましいが、つかまっているマストの綱ばしごにも、二三人の水夫がのぼって、帽子を丸くふっていた。かもめでもあろうか、白い鳥がしきりに飛び交っている。その仲間の中には、隆夫のたましいのそばまで飛んできて、つきあたりそうになるのもいた。
「港外まで出ないと、ごちそうを捨ててくれないよ」
「早く捨ててくれるといいなあ。ぼくは腹がへっているんだ」
かもめは、そんなことをいいながら、この汽船が海へ捨てるはずの調理室の残りかすを待ちこがれていた。
隆夫のたましいは、久しぶりにひろびろとした海を見、潮のにおいをかいで、すっかりうれしくなり、いつまでも眺めていた。白い航跡が消えて、元のウルトラマリン色の青い海にかえるところあたりに、執念ぶかくついてきた白いかもめが五六羽、しきりに円を描いては、漂流するごちそうめがけて、まい下りるのが見られた。
船の舳が向いている方に、ぼんやりと雲か島か分らないものが見えていたが、それは陸地だと分った。左右にずっとのびている。