Japanische Klassiker mit Furigana
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れいこんだいじゅうごうのひみつ
霊魂第十号の秘密
海野 十三
Lesen Sie 霊魂第十号の秘密 (れいこんだいじゅうごうのひみつ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 43.100 Zeichen · 86 Bildschirme
「断れば、ぜひ講演しろとはいわないでしょう」
「それはそうだが、中にはどうにも断り切れないのがある。心霊学会のがそれだ。あそこからは洋行の費用ももらっている。それにお前のことがもう大した評判なんだ。いや、お前というよりも、聖者レザール氏をわしが連れて来たということが大評判なんだ。ぜひその講演会で、術をやってみせてくれとの頼みだ。これにはよわっちまった」
「それは困りましたね。ぼくには何の術も出来ませんしねえ」
親子はしばらく黙って下を向いていた。やがて治明博士がいいにくそうに口を開いた。
「どうだろうなあ、心霊学会だけに出るということに譲歩して、一つ出てもらえないかしらん」
「出てくれって、ぼくに何をしろとおっしゃるのですか、お父さん」
隆夫のたましいはおどろいて問い返した。
「何もしなくていいんだ。ただ、舞台に出て目を閉じてじっとしていてもらえばいい。何をいわれても、はじめからしまいまで黙っていてもらえばいいんだ。それならお前にもできるだろう」
「それならやれますが、しかしそれでは聴衆が承知しないでしょう。ぼくばかりか、お父さんもひどい攻撃をうけるにきまっていますよ」