Japanische Klassiker mit Furigana
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あおいボタン
青いボタン
小川 未明
Lesen Sie 青いボタン (あおいボタン) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 4.617 Zeichen · 10 Bildschirme
」といって、ほめぬものはなかったのでした。
そのうちに、春となりました。空の色は美しく、小鳥は鳴いて、いろいろな花が咲きました。正雄はこうした景色を見るにつけて彼女のことを思い出しました。
ちょうど彼女が、学校へ上がったときには、唇をはらして、髪をみょうな形に結っていたので、どこか、その顔つきがきつねに似ていると思ったのが、後には、そうでなかったこと。そして、その目の色のうるんで、やさしみのあったのが、ちょうど、この春の空を見るときに感じるのと似たものがあったような気がして、正雄は、空想にふけりながら、うっとりとしたのであります。
「なんで、黙っていったんだろうか? そして、手紙もくれないのだろうか。遠い国ってどちらの方なんだろう……。」と、正雄は思いました。
三個のボタンだけは、まだ、彼の手に残っていました。正雄は、それを糸につないで、持って遊んでいました。その青い色は、水の色のようにも、また空の色のようにも、ときには、海の色のようにも、光線の具合で、それは、それは、美しく見えたのであります。このボタンを見た人は、だれでもちょっと立ち止まって、じっと目をその上に落とさないものはありませんでした。