Japanische Klassiker mit Furigana
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せいしゅんのいきのあと
青春の息の痕
倉田 百三
Lesen Sie 青春の息の痕 (せいしゅんのいきのあと) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.338 Zeichen · 254 Bildschirme
私にだけ何でも話します。私が行くと実に悦びます。私は小説をかしてやったり、たびたび手紙をかきます。いつもはひとりで裁縫などしています。昨日も夜に入ったので私が暇ごいをすると、泣くようにして私に泊ってくれよと嘆願しました。私はまけてしまって、叔父、叔母に対しては気がねでも、その子のために泊りました。今朝私としばらく二人きりになった時、その子は大きな大きな眼にいっぱい涙をためて、自分のはかなさを訴えました。私はできる限りの愛の雄弁で彼女をなぐさめ励ましました。そして暖かい日に、彼女を丹那の私の家に連れて来てやるという堅い約束をして、やっと別れて帰りました。
その時お絹さんが、私にかぜを引かすまいためにとて、無理に持たせてよこした懐炉に、灰に火をつけて彼女が、ハンカチに包んで、私の懐に入れてくれました。私は帰り道に俥の上で思いました。私はこのようにして多くの人たちの愛の守りのなかにいるのだ。両親、艶子、お絹さん、その従妹、そして東京にはあなたや謙さん、天香さん、私は生きる価がある、それを感謝しなくてはならない。そして純な希望のみで仕事をしてゆこう。それが文壇的になることはしいては求めまい、いわんやそのために心を煩わされるのは卑しい――そんなことを考えつつ、今は葉が落ちつくして裸になった、櫨の木のたくさん両側に