Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せいしゅんのいきのあと

青春の息の痕

倉田 百三

Lesen Sie 青春の息の痕 (せいしゅんのいきのあと) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.338 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

秋からは一緒に東京で家を持つかもしれません。どうもいずこともなく、衰弱して見え淋しそうな様子なので、私も案じています。二人とも何となくふしあわせな、足りない心持ちで同棲しています。私は妹に気の毒に存じます。お絹さんはたびたび熱いやさしい手紙をよこします。彼女の心に悲哀の種を蒔いたことを、心苦しく思いながら、私は彼女を愛して書物など送ってやったりしています。純な、シンプルな深い感情の響きのあるような書物を読ませてやろうと思っています。

四、五日前には、本田さんという妹の友だちが訪ねてくれました。そして三日私たちとともに棲みました。その人はさまざまな苦しい目にあって鍛錬された強い心を持っていました。今度女子大学を卒業したので、貧しい父母からの送金は断わり、自活するのだそうです。なんでも東京のある家の家庭教師となって、不具の子供をあずかるのだといっていました。私にさまざまな過去の苦しい経験や今の心持ちを語り、そして過去を埋葬(彼女はこういう言葉を用いました)して新しく生きるのですといって、深い決心を示しました。私と妹とは彼女を停車場まで送りました。彼女は何ものかを期待するいきいきした顔をして、でもなごり惜しそうに曇った空を見あげて、熊本の方に去りました。