Japanische Klassiker mit Furigana
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せいどうのキリスト
青銅の基督
長与 善郎
Lesen Sie 青銅の基督 (せいどうのキリスト) von 長与 善郎 (ながよよしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 66.703 Zeichen · 133 Bildschirme
頭陀袋一つで亡者が浮かばれねえってわけでもあるめえに。」
「両方が意地の張りっくらをしてけつかるんだ。おかげでこちとらまでこんな雪ふりの夜ふけにこき使わせやがって、だが来たからにゃただじゃ帰らねえて。」
こんなことを彼らはブツブツいいながらやや千鳥足で裕佐の前を歩いて行った。裕佐は自家へ帰る気はなくなっていた。彼は今何よりも眠りを求めていた。一切を忘却の川に流し捨て、翌朝の日光とともに自己を生まれ変わったごとく新鮮な、生き生きした者にしてくれる眠りの「救い」を求めていた。それが得られそうに思えるならすぐにも彼は飛んで帰りたかった。しかし帰ったところでその救いは到底得られそうもないのみか、ただ果てしない覚醒の闇になおも身を任しつづけるよりないことは目に見えていた。その時二人の人足の会話が計らずも彼の好奇心と、望みとをひしと捕えたのであった。
「よし、あいつらについて行って見よう。」
そして彼は何かを予感するごとく、彼らのあとに黙然と従った。
「オイ、道を間違えやしねえか。墓地はこっちじゃねえぜ。」
「薄のろめ。もうあそこに墓が見えてるじゃねえか。袈裟を着た坊主がしゃがんでるような格好をしてよ。