Japanische Klassiker mit Furigana
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『しずかなるあい』と『しょこくのてんにょ』
『静かなる愛』と『諸国の天女』
宮本 百合子
Lesen Sie 『静かなる愛』と『諸国の天女』 (『しずかなるあい』と『しょこくのてんにょ』) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.495 Zeichen · 13 Bildschirme
伯龍がこらえかねて或るとき「このたわけ者め!」と足をあげて蹴ったらば、天女の妻は体が軽いので一二間はねとばされたが声も立てず闇の中でにこにこ笑っている。何より不満なのは天女に少しも話のないことだった。やきもちさえもおこさない。だが天女の妻は美しくて彼の肉情を満足させた。一ヵ月もたつとさすがの伯龍が降参して、もう天へかえって呉れとたのんだが、天女の妻は「天に偽りなきものを」と約束の三ヵ月だけ伯龍のもとにとどまった。伯龍はひどい神経衰弱になった。そして天女がかえってから、伯龍は暫く女房をめとろうとしなかった、と昔の菊池寛らしく、天上的なものへの諷刺を語っているのである。
菊池寛によってかかれた天女が、男の肉情をみたすことだけは知っていたというのは、何と皮肉なようなことだろう。菊池寛にそのようなものとして描き出された天女が、諸国にすまって
きずなは地にあこがれは空に
冬すぎ春来て暮すうち、いつしか
おゝ詩はやわらかい言葉のためにあるのではない
とうたい出すようにもなって来たということは、ほんとに面白いことだと思う。現代の天女は話しがないどころか、自身が女の習俗で習慣づけられて来た「論理のどもり」