Japanische Klassiker mit Furigana
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ひぼんなるぼんじん
非凡なる凡人
国木田 独歩
Lesen Sie 非凡なる凡人 (ひぼんなるぼんじん) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.449 Zeichen · 17 Bildschirme
で彼は日曜のいい天気なるにもかかわらず何の本か、脇目もふらないで読んでいるので、僕はそのそばに行って、
「何を読んでいるのだ」といいながら見ると、洋綴の厚い本である。
「西国立志編だ」と答えて顔を上げ、僕を見たその眼ざしはまだ夢の醒めない人のようで、心はなお書籍の中にあるらしい。
「おもしろいかね?」
「ウン、おもしろい」
「日本外史とどっちがおもしろい」と僕が問うや、桂は微笑を含んで、ようやく我に復り、いつもの元気のよい声で
「それやアこのほうがおもしろいよ。日本外史とは物が異う。昨夜僕は梅田先生の処から借りてきてから読みはじめたけれどおもしろうて止められない。僕はどうしても一冊買うのだ」といって嬉しくってたまらない風であった。
その後桂はついに西国立志編を一冊買い求めたが、その本というは粗末至極な洋綴で、一度読みおわらないうちにすでにバラバラになりそうな代物ゆえ、彼はこれを丈夫な麻糸で綴じなおした。
この時が僕も桂も数え年の十四歳。桂は一度西国立志編の美味を知って以後は、何度この書を読んだかしれない、ほとんど暗誦するほど熟読したらしい、そして今日といえどもつねにこれを座右に置いている。