Japanische Klassiker mit Furigana
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かばんらしくないかばん
鞄らしくない鞄
海野 十三
Lesen Sie 鞄らしくない鞄 (かばんらしくないかばん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.653 Zeichen · 73 Bildschirme
「ばかッ。この鞄は、ただの鞄じゃないか。こんなものをありがたく受取って来て、どうするつもりか」
目賀野は、満身朱盆のようになって、臼井を怒鳴りつけた。
「ただの鞄だと断定するのは、まだ早すぎると思います。もっとよく研究してみるべきではないでしょうか」
「駄目だ。これだけ色々とやってみても、がたりともせんじゃないか。ただの鞄に過ぎないことは明白だ。赤見沢博士謹製のものならこんなことはない」
「おかしいですね。……博士はこの鞄と共に警察署へ保護されていたんで、間違いはない筈なんですがね。それとも……」
と、臼井はしばらく自分のおでこを指先でつまんで考えこんでいたが、そのうちに彼は指を角材の方へ指した。
「ああ、これだ。この杉の角材ですね。この中に博士の仕掛があるのですよ。閣下の御註文のとおり鞄にして置くと目に立つという心配から、仕掛はこの角材の中に秘めて邸から持ち出されたんじゃあないでしょうか。いや、それに違いないです。そうでもなければ、ねえ閣下、鞄の中に杉の角材などを大事そうに収っておくわけがないですよ」
臼井は、勇敢なる説を立てて、目賀野を説服にかかった。