Japanische Klassiker mit Furigana
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かばんらしくないかばん
鞄らしくない鞄
海野 十三
Lesen Sie 鞄らしくない鞄 (かばんらしくないかばん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.653 Zeichen · 73 Bildschirme
このことは絶対に秘密裡に行われた。捜査課長ともあろうものが、私立探偵の手を借りたなどという風評がたっては、田鍋警視は甚だ困るのであった。
もっとも課長は、今夜の行動を、役所の用事とはしないで、お化け鞄と猫又に興味を持つ帆村荘六を援助するための特別行動である――と、彼の部下二名に説明してあった。
帆村は、お化け鞄については、前章に述べたような見解を持していた。しかし彼は、この鞄の素性についてまだ突き留めていないことは、田鍋課長の場合と同じだった。
だが彼が、この事件に異常な興味を持って、解決に一生懸命の努力を払っていることは誰の目にも明白であり、従ってそのお化け鞄についての考察については、誰よりも深いものがあり、そのことを田鍋課長もはっきり認めていたればこそ、こうして帆村荘六のうしろについて行く気にもなったのである。正直な話が、課長としては、このお化け鞄事件ぐらいやりにくい事件は、本庁に奉職以来に一度も先例のないものだった。
今夜の行動は、帆村の示唆するところに従って、田鍋課長が蹶起したという形になっていたが、実のところ課長としては何等自信のあることではなかった。