Japanische Klassiker mit Furigana
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かばんらしくないかばん
鞄らしくない鞄
海野 十三
Lesen Sie 鞄らしくない鞄 (かばんらしくないかばん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.653 Zeichen · 73 Bildschirme
青年の赤いネクタイが、その睡眠不足らしい腫れぼったい瞼や、かさかさに乾いた黄色っぽい顔面とが不釣合に見えた。
(目賀野氏はもはや閣下ではない筈ですが……)と皮肉をいってやりたくなった田鍋課長だったけれど、それは差控えることにして、
「どういう人物だか、詳しくお話下さらんので、われわれには正体が分りませんが、とにかく家出人の捜査申請は本庁でも毎日受付けて居りますから、どうぞ届書を出されたい」
と返答をした。
「いや、これは失礼をいたしました。故意にその人物の素性などを隠そうとしたものではなく、その人物が如何なる人であるかを説明するには相当長い説明が要りますので、とりあえず重大人物と申上げたわけでありまするが……」
「お話中ですが、われわれは非常に多忙でありますし、且又非常に重大事件を数多抱えて居りますために、なるべくつまらんことでわれわれを煩わさないように願いたい。いやもちろん目賀野先生の紹介状に対して敬意を表しないというわけではありませんが、とにかく本課では目下数多の重大事件を抱えこんでいる――今も申した通りですが、例えば某研究所から二百グラムという夥しいラジウムが盗難に遭い目下重大問題を惹起していまして、本課は全力をあげて約四十日間捜索を継続していますが、今以て何の手懸りもない――迷宮入り事件くさいですがね、