Japanische Klassiker mit Furigana
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かばんらしくないかばん
鞄らしくない鞄
海野 十三
Lesen Sie 鞄らしくない鞄 (かばんらしくないかばん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.653 Zeichen · 73 Bildschirme
この陳述によって、あらまし筋は分って来たようである。
つまるところ、目賀野は本事件の主役ではなく、その傍系のドンキホーテ染みたところのある人物に過ぎないのだ。
「例のラジウム二百瓦が三原山の噴火口に投げこんであることは、いつ誰から訊いたか」
課長は、最も重大なるところを突込んだ。
「そのことかね。それはあの臼井が、いつだったか、密書を拾ったんだ。その密書に簡単ながら、そういう意味のことが書いてあった。その密書は臼井が持っている。わしではない」
「その密書の差出人は誰か。また受取人は誰なのか」
「名前ははっきり書いてなかった。ただ、差出人の名前に相当するところには、矢を二つぶっちがえた印が捺してあった」
「矢を二本ぶっちがえた印が、ふうん。そして受取人の方には……」
「受取人の名前に相当する場所には、三本足の黒い烏の絵が書いてあった」
「何という、三本足の黒い烏の絵が?」
と、課長は驚愕の色を隠しもせずに叫んだ。
「どうした課長。烏の絵になぜそんなに愕くのか。一体それは誰のことなんだ」
目賀野はいい気になって反問した。
「それは恐るべき賊のしるしだ。烏啼天駆という怪賊があるが知っているかね」