Japanische Klassiker mit Furigana
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おとについて
音に就いて
Lesen Sie 音に就いて (おとについて) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.660 Zeichen · 4 Bildschirme
五人女にも、於七が吉三のところへ夜決心してしのんで行って、突如、からからと鈴の音、たちまち小僧に、あれ、おじょうさんは、よいことを、と叫ばれ、ひたと両手合せて小僧にたのみいる、ところがあったと覚えているが、あの思わざる鈴の音には読むものすべて、はっと魂消したにちがいない。
まだ誰も邦訳していないようだが、プロフェッサアという小説、作者は女のひと、別なもう一つの長篇小説で、なにかの文庫で日本にその名を紹介せられた筈であるが、その作者の名も、その長篇小説の名も、その文庫の名もすべて、いますぐ思い出せない。これとて、しらべてみれば、判るのだが、いま、その必要を認めない。プロフェッサアという小説は、さる田舎の女学校の出来事を叙したものであって、放課後、余人ひとりいないガランとした校舎、たそがれ、薄暗い音楽教室で、男の教師と、それから主人公のかなしく美しい女のひとと、ふたりきりひそひそ世の中の話を語っているのであるが、秋風が無人の廊下をささと吹き過ぎて、いずこか遠い扉が、ばたん、と音たてる。いよいよ森閑として、読者は、思わずこの世のくらしの侘びしさに身ぶるいをする、という様な仕組みになっていた。