Japanische Klassiker mit Furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.621 Zeichen · 25 Bildschirme
「この正月の三日に黒田豊前守の下屋敷の金蔵を破るつもりで、お廃止になっている青山上水の大伏樋へ麻布六本木あたりから入りこみ、地面の下を通って芝新堀まで行き、金蔵に近い庭さきへ出たところを見まわりの金蔵番に見つかってつかまってしまったんです」
「それで、だいたいようすがわかった。……すこし話はちがうが、十一人の水主船頭の中で、ついこのころ世帯を持ったばかりというような奴はいないか」
ひょろ松はうなずいて、
「ええ、一人おります。楫取の弥之助というのが、ついこの春、佃島の船宿のお静という末むすめを女房にもらったンですが、これが三年越し思いあったというえらい恋仲。恋女房に恋亭主、ちょっとまともには受けきれねえような睦じい仲なんで。……お静の父親の船宿は、石川島の人足寄場と小さな堀をへだてて塀ずりあわせになっているんで石川島へ行った帰りなどによく寝ころがりに行くんで、それでこういう話を知っているんです……」
「おお、そうか。それはそうと、船頭宿では今ごろはさぞたいへんな騒ぎをしているこったろう。お悔みというのも妙なもんだが、どんな騒ぎになっているか、ひとつこれから出かけてみるか」