Japanische Klassiker mit Furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.621 Zeichen · 25 Bildschirme
……しかし、それだって、そのカラクリを見やぶるのはさほど手間はかからなかった。……それというのは、役人溜りにあったあの手紙。現にあった墨を巻紙の端へなすってよく調べて見ると、これが、まるっきり墨色がちがう。……別なところで書いたものを、わざわざ机の上に出しておいたのだということがわかる。するとへっついの火のほうも、かくあるようにと始めからたくらんだ仕事だということが察しられる。……なんのつもりでこんな手の混んだことをしなければならなかったかと考えて見ると、船がフワフワ海の上を漂っているのを拾われるとしたら、それからそれと察しられて、はじめから誰もこの船に乗っていなかったということがすぐさとられる。それでは大きにまずいから、たった今まで二十三人の人間が残らず船にいたように見せかけなくてはならない。そのためには一日ぐらいたってから竈のめしが煮えだすように細工をしておけば、いかにもいままで二十三人の人間が残らず船にいたようにも見えようという。……これがむこうのつけ目なんだ。……このほうは、これで、だいたい見当がついたから後まわしにして、もういちど先にかえすと、十五日の朝、伏鐘の一味が与力か同心に化けて伝馬町の牢屋敷に行き、永代橋でお受けわたしするはずだったが、急に蠣店にかわったから、ちょっとおとどけすると言っ