Japanische Klassiker mit Furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.061 Zeichen · 22 Bildschirme
すぎるようです。……なにもそうまでしなくとも……」
顎十郎は、大真面目にうなずき、
「おれも、さっきから、そこのところを考えているんだ。名主どのを誑かすだけにしては、すこし巾がありすぎる。……こりゃア、なにか曰くがあるぜ。お布施なんていうケチなことで、お小夜さんとやらをそうまでいじめつけるわけはない。……欄間に金色の大蛇を這わせて威しつけるなんてえのは、ずいぶん念が入っている」
「それにしても、金色の大蛇なんてえものが、ほんとうにいるものでしょうか」
顎十郎も、さすがに窮して、
「箱根からこっちに、そんな気のきいた化物はないことになっているが、しかし、現在、名主どのが見たというのであれば、これは、なんとも軽率なことは言われない」
ひょろ松は、又右衛門のほうへ向きなおって、
「あなた、欄間に大蛇が伝うのを見たてえのは、そりゃア、たしかな話なんでしょうね」
又右衛門は、うるさく首をふって、
「たしかも、たしかも、現在この眼で三度も見ているが」
「それは、いったい、なん刻ごろのことですか」
「最初に見たのが、ちょうど、昼の八ツごろ」
「それで、二度目は?」
「八ツ半ごろ」