Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.984 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

番所で油を売っていまして、ジャンと鳴ると火消改と一緒にまっさきに飛んで来たのはこのあっしなんで。……それから焼落ちて水手が引きあげるまで、ずっとここを離れなかったンです」

「すると、お前が見たときから、このありようは変っていないわけだな」

「へえ、そうなンでございます」

ひょろ松は、顎を撫でながら、なにか思案していたが、

「するとなんだな、十吉。これは焼死んだのじゃなくって、殺されてから火の中へ投げこまれたのだな」

「えっ、それはまたどういうわけで?」

「だって、そうじゃないか。つもっても見ろ、焼け死んだのなら、死骸は瓦の下になっているはずだろう。ところが、こうして瓦の上にある。言うまでもなく、これは殺されてから火の中へ投げこまれた証拠だ」

「なるほど、こいつア理屈だ」

「なア、十吉、お前が駈けつけて来たときにはもうだいぶ火の手があがっていたか」

「火の手どころじゃありません。すっかり火がまわって、駈けつけたときにはもう焼落ちるばかり。手のつけようがねえもンですから、こっちは放っておいて『大清』の塀へばかり水をかけていたンで」

「それでよくウマがあう。……見る通り、西と北は大通り。