Japanische Klassiker mit Furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.984 Zeichen · 28 Bildschirme
これはお前さんが染場の藍甕のそばでしゃがんでいたという証拠なンだ。訊けば、お前さンが京屋へ出かけて行ったのは昨夜が始めてだそうだが、吉兵衛と話をするのに、なにをそんなところまで這いこむことはいらなかろう。湿ってこそいないが、この藍の色はつい昨日きょう染まったもの。お前さんも知っていなさろうが、藍甕は地面から五寸出るぐらいにして深くいけてあるもんだが、印籠の下げ緒が小半分染まっているところを見ただけでお前さんが藍甕のそばでどんなようすをしていたか、はっきりとわかるんだ。落したもんなら下げ緒ぜんたいがスッポリと染まる。しゃがんだはずみに腰に下げた印籠が半分ばかり藍甕の藍に浸かったのをお前さんは気がつかなかった。もうひとつの証拠というのは火繩と火口。……お前さんの網道具の小函の抽斗に火繩の屑と火口が入っていた。これなんざア、まず、のっぴきならねえ証拠というほかない」
十吉と孫太郎が左右から藤五郎の手をとって、
「おい、大清、一緒に番屋まで来てくれ」
グイと引立てた。
十五日
駕籠屋さん。もとは江戸一の捕物の名人。冬瓜のお化け、顎十郎こと仙波阿古十郎。