Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.984 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

……吉兵衛の菩提寺というのは、いったいどこだ」

「浅草御蔵前の長延寺だということです」

「そんならわけはねえ。ここからひと跨ぎだ。これからすぐ行って見よう。さあ、乗んねえ、乗んねえ、かついで行ってやる」

嫌がるひょろ松を駕籠へのせ、ホイホイという間もなく長延寺。

住持にあってようすを訊くと、

「いつもひどく沈んだようすをしていて、墓石を洗いながらブツブツひとりごとを言ったり、墓にもたれてぼんやり考えこんでいたりするので、わたくしも気にしていたンですが、このあいだ来たときなどは、永代経をたのみますと言って二十両つつんで来ました」

顎十郎は、妙な顔をして、

「永代経というのは自分が江戸を離れて生涯帰ってこられねえとか、死目が近くなって、それに跡目がいねえなどというときに、忌日々々に先祖の供養をしてもらうことなんだが、ピンピンしている吉兵衛がそんな真似をするのはチト妙じゃなかろうか」

永代経料の包み紙がまだ本堂の壁に貼ってあるというから三人でよってそれを見ると、永代経料、と書いて、その傍に『六月十五日』と日づけが入れてある。顎十郎は、手をうって、

「これですっかりタネがあがった。