Japanische Klassiker mit Furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.984 Zeichen · 28 Bildschirme
含み笑いをして、俺が落着いていられるのには訳があるンだ。『大清』が奥山にいるときの悪事のしっぽを俺ににぎられているンだから、きいたふうの真似をしても、その実、生涯、俺に頭のあがりっこはねえんだ。それに、おもんだってどんなつもりで進んで『大清』の後添いになったか、その裏の事情がお前なんぞにわかるはずはねえ。なにも知りもしねえくせにきいたふうのことを言うと口が風邪をひくぜ、気をつけろい、と、いつにない巻舌でやり返したということだった。
三階の窓
浅草橋の番屋で。
今日もまた暑くなるのだと見えて、ようやく白んだばかりなのに、燦くような陽の色。
ずっと陽照りつづきで檐下の忍草までグッタリと首を垂れている。
北町奉行所のお手先、神田鍋町の御用聞、神田屋松五郎。まるで蚊とんぼのように痩せているので、ひょろ松ともいう。
江戸一の捕物の名人、仙波阿古十郎の下についてタップリと腕をみがき、このごろではもう押しもおされもしないいい顔。
腕組みをして釣忍を見あげながら、下ッ引の話を聴いていたが、檐から眼を離すと軽くうなずいて、
「いや、よくわかった。……京屋が担ぎ呉服に言ったセリフが気にかかるの。