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Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.406 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

……まア、それはいいが、どうしてお前にそれが替玉だということがわかる」

「だって、そうじゃありませんか。現在の妹が姉とちがうとおっしゃるからには、替玉にちがいなかろうじゃありませんか。理屈はどうあろうと、感でこうと睨ンだことは決して狂いのあるものじゃありません」

「ふふふ、とど助さんお聴きになりましたか、ひょろ松がえらいことを言い出しました。……では、先生におうかがいしますが、そういう奥まったところにある座敷土蔵へどうして偽物が忍びこみ、どうして大病の真者を持って行ったか、ひとつご釈義ねがいましょうか」

「なアに、わけはないこってす」

と言って、利江のほうへむきなおり、

「先刻のお話ではお米さんとやらが、いちど息を引きとったことがあると言われましたね」

「はい、申しました」

「そのとき、葬具屋から棺桶が届きましたろう」

「はい、届きました」

「……つまり、替玉のほうのお米は、その棺桶の中へ入ってきて座敷土蔵の中へ通り、ドサクサまぎれに寝床からほんとうのお米さんをひきずり出して棺の中へいれておき、自分は、うむ、とかなんとか言って生きかえったようなようすをする。生きかえった人間に棺桶はいらないから、縁起でもない、早く持って帰ってくれ、ということになって、仲間のやつが、待ってましたとばかりに、ほんとうのお米さんが入っている棺桶