Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.406 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

「ひょろ松、無駄だ、やめておけ、いくら掘ったってお米の死骸が出てくる気づかいはねえ。長雨さえなかったらなにかの手がかりが残っていたろうというもンだが、グズグズ雨の後じゃどうしようもねえ。……首を斬られて八間堀へ浮いたのはほんとうのお米だったということはこれでわかったが、むこうがこういう出ようをするなら、こちらもひとつ腰をすえなくちゃなるまい。……きょう祝言をするのはお米と瓜ふたつの偽物。言うまでもねえ、金三郎というのも、おなじ穴の貉。それに、仲間が二三人。……ひょっとすると、万屋の家の中にも一人いる」

「へえ」

「とにかく、ほんもののお米は現実に万屋からかつぎ出されているンだから、どんな方法でやりやがったか、そいつを手ぐってみたらなにかの引っかかりがつくかも知れん。これから深川へ引きかえして万和へ乗りこんで見よう。……表むきは、おれはお前のワキ役。そのつもりでいてくれなくっちゃ仕事がやりにくくなる」

「かしこまりました」

道々、細かい打ちあわせをしながら深川の茂森町。ひょろ松は、万和とは昵懇だから店からすぐ奥へ通される。

今日が婚礼なので、門に高張を立て、店には緋の毛氈を敷いて金屏風をめぐらし、上下を着た番頭や印物を着た鳶頭が忙しそうに出たり入ったりしている。