Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.904 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

……大和屋さん。お前さんが明日から当分のあいだ、噂の通りに小鰭の鮨売になり、わざと眼につくように印物でもくばって歩いてくれりゃア市中にパッと評判が立つから、勢いむこうも気をゆるして引っかかってくるにちがいないと思うんだ。……その悪が一日も早くお手当になれば、お前さんの気持もさっぱりするわけなんだから、災難だとあきらめて、ひとつ手を貸してもらいたい。どんなもんだろう、大和屋」

三津五郎は、一も二もなく、

「貸すも貸さぬもございません。わたくしの手助けでそいつを捕えることが出来るなら、それこそ本望。名を騙られ、濡衣をきせられて嫌な思いをしたそのしかえし。むしろ、願ってもお役に立たせていただきたいところでございます」

出来すぎ

手近な浅草から始めて、下谷、本所、深川とふれ歩いて、ちょうどきょうが六日目。

三津五郎の鮨売をさきに立て、半丁ほど間をおいて職人か鳶かという風体に服装を変えたアコ長、とど助、ひょろ松の三人がさりげないようすで見えかくれにその後からついて行く。

お誂えどおり手拭いの吉原かぶりに白唐桟の細かい縞の着物。黒衿のかかった千縞の半纒の肩へ鮨箱をかつぎ、麻裏草履の爪さきを反らせながら、うっとりするような美しい声で、