Japanische Klassiker mit Furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.904 Zeichen · 28 Bildschirme
今さら見こみちがいじゃおさまらない。調べがある調べがあると言って、みなまだ伝馬町へとめてあるンですが、どうにもおさまりがつかなくなってしまいました」
箸の辻占
小鰭の鮨売といえば、そのころは鯔背の筆頭。
……髪は結い立てから刷毛ゆがめ、博多帯、貝の口を横丁にちょと結び、坐りも出来ぬような江戸パッチ……と、唄の文句にもある。
新しい手拭いを吉原かぶりにし、松坂木綿の縞の着物を尻はしょりにし、黒八丈の襟のかかった白唐桟の半纒。帯は小倉の小幅。木綿の股引をキッチリとはき、白足袋に麻裏という粋な着つけ。
三重がさねの白木の鮨箱を肩からさげ、毎日正午すぎの六ツ七ツのころにふれ売りに来る。
小鰭の鮨売といえば、声がいいことにきまったようなもの。いずれも道楽者のなれの果、新内や常磐津できたえた金のかかった声だから、いいのには無理はない。
三重がさねの上の二つには小鰭の鮨や鮪の鮨、海苔巻、卵の鮨、下の箱には銭箱と取り箸を入れ、すこしそり身になって、鮨や小鰭のすうし……と細い、よく透る、震いつきたいようないい声でふれて来ると、岡場所や吉原などでは女たちが大騒ぎをする。