Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.960 Zeichen · 24 Bildschirme

Aozora Bunko

「ねえ、顎十郎さん、殺るとするなら、いったい、どんなふうに殺るつもりでしょう」

「そんなことは俺に訊いたってわからねえ。聞けばお渡御のすむ一刻ほどのあいだは、全町まっ暗にしてしまうということだが、そんな暗闇の中で斬ってかかれるわけのものじゃないから、暴れだすとするならお渡御がすんで篝がついてからか、ひとの顔が見えるようになった白々明けにちがいない。……また、鏖殺しにするなどと口走る以上、毒でもつかうつもりかも知れないから、たとえ御神酒にしろ御神水にしろ、祭のあいだはいっさい口にしないように言い聞かせておくがいい。……そろそろお渡御がすむころになったら、おめえは桜場に眼を離さないようにしていろ、近江屋の四人のほうは俺ととど助さんとふたりで、間近いところで見張っているから」

とど助はうなずいて、

「近江屋一家のほうは拙者ひとりで結構。下手に斬りこんでなど来たら、そばに寄せぬうちに拙者がひとひねりにしてしまいます、安心していまっせ」

これで、だいたい、段取りがきまったので、ひょろ松は近江屋のところへ行って打ちあわせをし、これでいいということになってお渡御が始まるのを待つ。