Japanische Klassiker mit Furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.527 Zeichen · 23 Bildschirme
「なにか、あッしども、しくじりでも……」
「笑わせるな。しくじりなんて気取った段じゃねえ。……なんだ、今度のざまア。てめえら、それで生きているのか、性があるのか」
「な、なんですか、一向にどうも……」
「ざまア見ろ、そんなすッ恍けたことを言ってやがるから、しょうべん組などに出しぬかれるのだ。おい、俺の面をどうする」
「ですから、どういう……」
「聞きたけりゃァ言って聞かしてやる。……番代りの晦日に伝馬町の堺屋へ検死に行ったのはどいつだ。……嘉兵衛と鶴吉を虎列剌と判定てうっそり帰って来たのは、いってえどいつだ。言え、この中にいるだろう」
大風に吹かれた下草のようにハッとひれ伏してしまう。
藤波は、キリキリと歯軋りをして、
「いかに虎列剌がこの節の流行物でも、吐瀉下痢して息をひきとれば、これも虎列剌ですはひどかろう。いってえ、おめえらの職業はなんだ。……おい、よく聞け。呉服橋ではぬからずに手代の忠助をひっ撲いて、わたくしが毒を盛ったのでございますと泥を吐かしたそうな。……当節、番所は呉服橋だけにある。南じゃ朝っぱらから色ばなし。……いや、見あげたもんだ、感じ入ったよ」