Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.468 Zeichen · 25 Bildschirme

Aozora Bunko

アコ長はなにか考えこんでいたが、また唐突に口をひらき、

「清五郎、お前、その浪人者に守宮の話をしたろうな」

「へい。なにしろ、その浪人者が離家へ居候するということですから、あっしもなんとなく気がとがめまして……」

「それは阿波屋で人死が出る以前のことだろうな」

「さようでございます。その浪人者が離家へいつくようになってからひと月ほどたった後。……なんでも八十八夜のすぐあとのことでした」

「総領の甚之助が死んだのはいつだっけな」

「……五月の二十日。……それから二十日ばかりたってから後のことです」

「……で、ありようをすっかり話したのか」

清五郎はあわてて手を振って、

「飛んでもございません。ここに寝るとみな魘されるというが、離家の天井になにかさわりがあるんじゃなかろうかと、ま、そんなふうに、ぼんやり話しただけだったんでございます」

顎十郎は蜘蛛の巣だらけの梁に腰をかけてうっそりと腕組みをしていたが、なにか思いきめたふうで、

「おい、清五郎、ちょっと甚松の死骸を検べて見たいから、神田へ行って大急ぎでひょろ松を呼んで来てくれ」

「へ、そうですか。よろしゅうございます、大駈けで行ってまいります」