Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.468 Zeichen · 25 Bildschirme

Aozora Bunko

「朝っぱらから縁起でもねえ、どうにも嫌な気持で……」

「いや、まったく。……そりゃそうと、これでいくつ目です」

「六つ目。……阿波屋の葬式といったらこの深川でも知らぬものはない。今年の五月に総領の甚之助が死んで、その翌月に三男の甚三郎。七月には配偶いのお加代。八月には姉娘のお藤と次男の甚次郎。……しばらく間があいたからそれですむのかと思っていると、こんどは四男の甚松が急にいけなくなって、きょうの払暁に息をひきとったというンです。……どういうのか知らねえが、半年足らずのうちに一家六人が次々に死ぬというのは只ごとじゃありません」

「医者の診断はどうなんです」

「破傷風というんですが、そのへんのところがはっきりしない。医者が先に立ってこれはなにかの祟りでしょうと言うんだそうですから、けぶです」

「もうそのくらいにしといてください、あまり気色のいい話じゃねえから」

「あなたはいいが、わたくしのほうは、なにしろすぐ真向いなんだからこれには恐れます。……ざんばら髪の白髪の婆が、丑満時に、まっくらな阿波屋の家の棟を、こう、手を振りながらヒョイヒョイと行ったり来たりするのを見たなんていうものがありまして、女こどもは怯えてしまって、日暮れになると、あなた、厠へもひとりで行けない始末なんです。