Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.604 Zeichen · 28 Bildschirme
しかし、なにしろ、一巻五十両から、ちょっとましになると三百両、四百両というのだから、庶民階級にはとても手がとどかない。しゃっきりとして皺にならず、そのうえ、なんともいえぬ味があるので、呉絽でなければ帯でないようなありさま。仕入れる片っぱしから羽根が生えたように売れるから、長崎屋の利益は莫大。
はじめは三間間口の、せいぜい担ぎ呉服程度だったのが、両隣りを二軒買いつぶして、またたく間に十二間間口の大店になってしまった。
ひょろ松は、畳の上にいくつも敷きひろげられた呉絽の帯地を眺めながら、
「なんだか、スバスバして素ッ気のねえもんだが、流行というものはみょうなものだ……番頭さん、これは、ぜんてえなんで織るのだね」
「へえ、これは支那の河西の名産でございまして、経糸には羊の梳毛をつかい、緯糸には駱駝の毛を使って織りますんでごぜえまして、シャッキリさせるためには、女の髪の毛を梳き込むとかと聞いております。いずれ、口伝のようなものがあるのでございましょう……泉州堺の織場で、いちど真似て作りかけたことがございましたが、やはり、ものにならなんだそうでございます」
顎十郎も、ひょろ松のわきから手を出して、帯地をひっぱり廻していたが、どうしたのか、ちと妙な顔つきになって、