Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.248 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

「手が冷たいのに、顔も首筋も桜色をしていたというところ……」

「ふん、だから、それが?」

「……あなたは、さきほど濡紙で口をふさいだと言われましたが、それでは身体にあんな血の色は残らない、かならず蒼白くなってしまうはず。……ねえ、かくいう手前が見た時も、まだほんのり薄赤かったのだから、あなたがごらんになった時はさぞ赤かったろう。……いったい、これはなんだとお思いです……どういう死にかたをすれば、死んだあとも、あんな膚色をしているとお考えです」

藤波は、おいおい不安をまぜた険しい顔つきになって、

「さア、それは……すると、なにか毒でも」

「おやおや、心細いですな。……あなたは、さきほど、この勝負は相引になったと言われたが、あなたがそれをご存じないとすりゃあ、どうも、引分けということにはならないようだ。……つまり、あなたの負けです」

と、ペラペラやっておいて、

「さらば、秘陰をときあかしましょうか。……なんてほどの大したこっちゃアない。……ねえ、藤波さん、千賀春は、炭火毒にあたって死んだんですよ。……おやおや、あんぐりと口をあいて。……あっけにとられましたか?……嘘だと思ったら、御嶽山へでも行った時、よく気をつけて見ていらっしゃい、石窟の閉めきったところで炭火をどんどん起してちぢかんでいると、心気の弱いものは、たまに