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Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.040 Zeichen · 26 Bildschirme

Aozora Bunko

「御意にございます」

「それに、だいぶ変った面をしておるそうな」

播磨守は苦笑して、

「それが、はや、下世話に申す、馬が提灯。いかにも異様な顎なり。よって顎十郎というが通り名になっております」

伊勢守はおもしろそうにうなずきながら、

「聞いておる、聞いておる。諸葛孔明の面の長さは二尺三寸あったとか。異相のものには、とかく大智奇才が多い。……南に藤波友衛、北に仙波阿古十郎。近来、たがいに角逐競進することは、すでに上聞に達している。されば……」

と、両奉行の顔を見くらべるようにして、

「今後いっそうの励みにもなろうと存じたにより、『瑞陽』とりしらべの件につき、両人相吟味、対決をねがいあげたところ、やらせて見い、との仰せ。……よって、明日、お鷹狩の後、お仮屋寄垣のうちにて、両人の吟味問答をお聞きになる」

吟味、捕物の御前試合などはまさに前代未聞。さすがに、両奉行もあっけにとられて、茫然たるばかり。

伊勢守は、依然たる寛容の面もちで言葉をつづけ、

「当日は、両人とも鷹匠頭副役の資格。装束は役柄どおり、弁慶格子半纒、浅黄絞小紋の木綿股引、頭巾、背割羽織をもちいること。