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Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.028 Zeichen · 30 Bildschirme

Aozora Bunko

見ると、小高いところに立って、ああでもない、こうでもない、といって指図しているのが例の権柄面の藤波友衛とせんぶりの千太。

いかに非人の寄場といいながら、よくもまあこうまで集めたと思われるほど、五つから七つぐらいまでの乞食の子供をかずにしておよそ五十人ばかり。こいつを一列にずらりとならべて松王丸もどきに片っぱしから首実験をして行く。鼻たらしや、疥癬頭、指をくわえてぼんやり見あげていたのを、せんぶりの千太が顎の下へ手をかけて、まじまじと覗きこむ。『菅原伝授手習鑑』の三段目じゃないが、いずれを見ても山家育ち、どうにもとり立てていうほどの面相はない。

せんぶりの千太は、すっかり厭気がさしたと見えて、

「仏の顔も日に三度じゃない。乞食の面ばかりこれでものの三日、朝から晩まで見つくしてどうやら気が変になりました。ひどいもんですねえ、家へ帰りますと、せがれの面まで白痴面に見えてうす汚なくてたまらない。いったいいつまでそんなことをやらかそうというんです。お願いできるなら、あっしゃもうこのへんで……」

藤波は三白眼をキュッと吊るしあげ、

「このへんでどうしたと。……言葉おしみをしねえで、はっきり言って見たらどうだ」