Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.707 Zeichen · 20 Bildschirme

Aozora Bunko

「こりゃア妙だ。……叔父上、この尊像はすこし変っていますぜ。……いままでの大黒尊像は、俵を踏んまえて、その下に鼠が二匹いる。……だれでも知っている通り、それだけのものだが、これ、ごらんなさい、この尊像には、こんなわけのわからぬものがついている」

見ると、なるほど、尊像の空白に、お灸のあとのような、妙なものがついている。

それは、こんなふうなものだった。

○○●●●●●○●○●○○○○○○○○○●○○○○●○○●○●●●●○○●○○○

弥太堀

小網町の船宿でわかれたきり、その後、三日になるが杳として顎十郎の消息が知れない。

弓町の住居にもかえらないし、庄兵衛の屋敷にもよりつかない。また、れいのごとく、中間部屋にでもとぐろを巻いているのかと思って、脇坂や上杉の部屋をのぞきこんで見たが、姿が見えぬ。

そうこうしているうちに、南番所のほうでは、いよいよ追いこみにかかったらしく、弥太堀の近くにおびただしい人数を張りこませ、目ざましいまでに色めきわたっている様子である。

ひょろ松は気がきでない。手にものもつかぬようにじれ切っているところへ、ちょうど四日目の朝になって、顎十郎が泰平な顔でブラリとやって来た。