Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.832 Zeichen · 24 Bildschirme

Aozora Bunko

大岡越前守にしろ、筒井伊賀守にしろ、または鳥居甲斐守にしろ、名奉行とうたわれたひとはみな南町奉行所に属し、れいの遠山左衛門尉が初任当時ちょっとここにいただけで、初代、加々爪忠澄以来、この北町奉行所というのはあまりパットしない存在だった。

講談や芝居で引きあいに出されるのは、いつも南町奉行所で、こちらのほうは、あって無きが如くに扱われる。組下には相当俊敏な者もいるのだが、運が悪いというか、あまり派手な事件にぶっつからない。町方や南番所の組下は、庄兵衛組と言わずに、しょんべん組と呼んで馬鹿にしている。組屋敷は本郷森川町にあるが、庄兵衛はいたって内福なので、すこし離れたこの金助町に手広い邸をかまえて住んでいる。

ひとつまみほどの髷節を、テカテカと赤銅色に光った禿頭のすッてっぺんに蜻蛉でも止ったように載っけている。朱を刷いたような艶々した赭ら顔は年がら年中高麗狛のように獅子噛み、これが、生れてからまだ一度もほころびたことがない。

ずんぐりで、猪首で、天びん肩なので、禿頭から湯気を立てながらセカセカやってくるところなんぞは、火炎背負ったお不動様を描いた大衝立でも歩いて来たかと思われるほどである。