Japanische Klassiker mit Furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.022 Zeichen · 36 Bildschirme
どうでもあいつらを巻かなくちゃならねえのだ。……駕籠代と祝儀あわせて十両、この座蒲団の上へおくからな、たのんだぞ」
「よござんす、合ッ点だ」
西新井の土手へ差しかかると、顎十郎は、はずみをつけて駕籠から飛びだし、土手の斜面を田圃のほうへゴロゴロと転がり落ちて行った。
捨蔵さまは草加の村外れで、寺小屋をひらいていた。
万年寺を逃げ出したのには、深いわけがあったのではない。話にきく江戸の繁昌を見たかっただけのことだった。二十歳のとき、お君という呉服屋の娘と想いあい、この草加へ駈落ちして来て貧しいながら平和な暮しをつづけていた。
捨蔵さまは、なかなか剃髪する決心がつかなかったが、それから二月ののち、上野の輪王寺へはいった。
それから間もなく水野が失脚し、再び立つことが出来なくなった。