Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.022 Zeichen · 36 Bildschirme

Aozora Bunko

「へへえ」

「そこでお子をふところに押し隠し、吹上の庭伝い、そっと坂下御門から出て神田紺屋町のじぶんの家へ帰り、捨蔵と名をつけて丹精し、八歳の春、遠縁にあたる草津小野村万年寺の祐堂という和尚に、実を明かして捨蔵を托した」

「その祐堂が、つまり、あなた」

「……いかにも。やがて十歳になったので、剃髪させようとすると、僧になるのを嫌って寺から出奔してしまった。……それからちょうど十四年。……わしは雲水になって津々浦々、草の根をわけて捜しまわったが、どうしても捜しだすことが出来申さぬ。……この春、一度寺を見るつもりで草津へ帰ると、お沢の家主の久五郎というひとから赤紙つきの手紙が届いておった……」

「ははあ、いよいよ事件ですな」

「手紙のおもむきは、五月の二日の夕方、お沢の家から唸り声がきこえるから入って見ると、お沢が斬られて倒れている。……あわてて介抱にかかると、あたしのことはどうでもいい、この封書の中に三字の漢字が書いてあるが、これへ赤紙をつけてこの名宛のところへ送ってくれと言って、息が絶えてしまった。……そこで家主が状屋へ行こうとその封書を手に持って露路を出かかると、いきなり右左から同時に二人の曲者が飛びだして封書に手をかけるから、なにをするといって振りはらうはずみに封書は三つに千切れ、二つは曲者に奪われ、ようやく