Japanische Klassiker mit Furigana
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ガドルフのゆり
風の又三郎
Lesen Sie 風の又三郎 (ガドルフのゆり) von Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.150 Zeichen · 48 Bildschirme
びっくりして見上げましたら、それは古い白縞の単物に、へんな簑のようなものを着た、顔の骨ばって赤い男で、向うも愕いたように亮二を見おろしていました。その眼はまん円で煤けたような黄金いろでした。亮二が不思議がってしげしげ見ていましたら、にわかにその男が、眼をぱちぱちっとして、それから急いで向うを向いて木戸口の方に出ました。亮二もついて行きました。その男は木戸口で、堅く握っていた大きな右手をひらいて、十銭の銀貨を出しました。亮二も同じような銀貨を木戸番にわたして外へ出ましたら、従兄の達二に会いました。その男の広い肩はみんなの中に見えなくなってしまいました。
達二はその見世物の看板を指さしながら、声をひそめて言いました。
「お前はこの見世物にはいったのかい。こいつはね、空気獣だなんていってるが、実はね、牛の胃袋に空気をつめたものだそうだよ。こんなものにはいるなんて、おまえはばかだな」
亮二がぼんやりそのおかしな形の空気獣の看板を見ているうちに、達二が又言いました。
「おいらは、まだおみこしさんを拝んでいないんだ。あした又会うぜ」そして片脚で、ぴょんぴょん跳ねて、人ごみの中にはいってしまいました。