Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ガドルフのゆり
風の又三郎
Lesen Sie 風の又三郎 (ガドルフのゆり) von Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.150 Zeichen · 48 Bildschirme
何せ小十郎のとこでは山には栗があったしうしろのまるで少しの畑からは稗がとれるのではあったが米などは少しもできず味噌もなかったから九十になるとしよりと子供ばかりの七人家内にもって行く米はごくわずかずつでも要ったのだ。
里の方のものなら麻もつくったけれども、小十郎のとこではわずか藤つるで編む入れ物の外に布にするようなものはなんにも出来なかったのだ。小十郎はしばらくたってからまるでしわがれたような声で言ったもんだ。
「旦那さん、お願だます。どうが何ぼでもいいはんて買って呉なぃ」小十郎はそう言いながら改めておじぎさえしたもんだ。
主人はだまってしばらくけむりを吐いてから顔の少しでにかにか笑うのをそっとかくして言ったもんだ。
「いいます。置いでお出れ。じゃ、平助、小十郎さんさ二円あげろじゃ」
店の平助が大きな銀貨を四枚小十郎の前へ座って出した。小十郎はそれを押しいただくようにしてにかにかしながら受け取った。それから主人はこんどはだんだん機嫌がよくなる。
「じゃ、おきの、小十郎さんさ一杯あげろ」
小十郎はこのころはもううれしくてわくわくしている。主人はゆっくりいろいろ談す。