Japanische Klassiker mit Furigana
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かぜのさむいよのなかへ
風の寒い世の中へ
小川 未明
Lesen Sie 風の寒い世の中へ (かぜのさむいよのなかへ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 3.903 Zeichen · 8 Bildschirme
家の中から、おじいさんが顔を出しました。すると、子供は、袋の中から、拾ってきた人形を取りだして、おじいさんに見せました。おじいさんは、手にとって、それをながめますと、
「ああ、これはいい人形だ。私が、手足をつけて、ひとつりっぱな人形にこしらえてみせよう。」といって、子供に、いくらかの金をやりました。子供は、喜んであちらへ去りました。
お人形が、人の好いおじいさんの仕事場へつれてゆかれました。その仕事場には、いろいろ、さるや、犬や、人や、また、ねこなどの形が造られていました。これらの粘土細工は、驚いた顔つきをして、急に、その仕事場へはいってきた派手な着物を着たお人形を見つめているようすでした。
おじいさんは、眼鏡をかけて、このお人形の手を造り、足を造ってくれました。そうして、その手や、足を、ちょうど顔の色と同じように、白く塗ってくれました。お人形は、これで、どうやら、不具でない、満足の姿になったのであります。
「ああ、こうなればりっぱなものだ。顔がきれいなのだから、きっと、だれか目につけるにちがいない……。」といって、おじいさんは、この人形を自分の家の小さな店さきに、ほかのおもちゃといっしょに並べておきました。