Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふうりゅうばけものやしき

風流化物屋敷

山本 周五郎

Lesen Sie 風流化物屋敷 (ふうりゅうばけものやしき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.228 Zeichen · 40 Bildschirme

Aozora Bunko

の姿はどこにもみえなかった、思わず、「かッちけねえ」と叫びかかったが、ふと裏のほうで旦那の声がした、「私は御座平之助という者です」こう云って誰かと挨拶を交わしているようだ、びっくりしてそっと覗くと、旦那は井戸端に立って隣り屋敷の人と話をしている。「あっ、生きてやがる」思わずそう云ったものの、こいつはいけねえと横っ跳びに台所へとびこみ、どうか縁起の直るようにと、力いっぱいりきんで一つ屁をひった。実にこれらの人間は下賤なものである。……生垣を挾んで平之助と挨拶を交わしていたのは、三浦のとみ嬢であった、彼女は昂奮と感動で全身がいっぱいになり、立っているのもようやくという風に見えた。「それで、――それでゆうべは、よくおやすみ遊ばしまして?」「よく寝ました。私は昼寝さえすれば夜はぐっすり眠れるほうです」「なんにも、別になんにも、変ったことはございませんでして?」「そうですね、……」彼は手拭で衿首をこすった、とみ嬢の好奇心は正に頂点に達し、両手は夢中で生垣の檜葉の秀を毟りちらしている。平之助はなかなか口を開かない。とみ嬢は堪りかねたのだろう声を震わせながら、「わたくしお宅で色いろな物音や人の泣声などがするように聞きましたけれど」