Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふうきんとさかなのまち

風琴と魚の町

林 芙美子

Lesen Sie 風琴と魚の町 (ふうきんとさかなのまち) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.372 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

校長は背の高い人であった。私はどこかの学校で覚えた、「七尺下って師の影を踏まず」と、云う言葉を思い出したので、遠くの方から、校長の後へついて行った。

「道草食わずと、早よウ歩かんか!」

校長は振り返って私を叱った。窓の外のポンプ井戸の水溜りで、何かカロカロ……鳴いていた。

雨戸のような歪んだ扉を開けると、ワアンと子供達の息が私にかかった。(女子六年 イ組)と、黒板の上に札が下っていた。私は五年を半分飛ばして六年にあがる事が出来た。ちょっと不安であった。

9 長い間雨が続いた。

私はだんだん学校へ行く事が厭になった。学校に馴れると、子供達は、寄ってたかって私の事を「オイチニイの新馬鹿大将の娘じゃ」と、云った。

私はチャップリンの新馬鹿大将と、父の姿とは、似つかないものだと思っていた。それ故、私は、いつか、父にその話をしようと思ったが、父は長い雨で腐り切っていた。

黄色い粟飯が続いた。私は飯を食べるごとに、厩を聯想しなければならなかった。私は学校では、弁当を食べなかった。弁当の時間は唱歌室にはいってオルガンを鳴らした。私は、父の風琴の譜で、オルガンを上手に弾いた。