Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ふうちそう

風知草

宮本 百合子

Lesen Sie 風知草 (ふうちそう) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 44.107 Zeichen · 88 Bildschirme

Aozora Bunko

つかまって、拘置所に入れられて、少くとも五年か七年帰れまいと本人さえ云っていたのに、急に出た。その男の伯父が、前法相であった。入れかわりに、玉井のぐるりの友人は、一人のこさず被害をうけた。その前、一年半の実刑までを受けて出て来た瀬川は、ただ工場へつとめて、やっとヤスリを使い覚えたというばかりだのに、つかまえられたばかりか予防拘禁所に三年も置かれた。大した理由はなくてお気の毒だ、と云いながら、三年置いた。牧子は瀬川の母、その姉、良人とまるで立場のちがう妹夫婦という錯雑した家族の間で、子供を育てながら精一杯の努力でやりくりして、瀬川の出て来るのを待った。瀬川は、前の冬にかえって、埼玉のそこへ勤めはじめていたのであった。

そのときも、ひろ子と牧子とは焼跡の通りを並んで歩きながら話していた。

「あなたの苦労は見ているから、いい加減が云えないわ。――でもね、牧子さん、どう? あのいい眼つきをした若い瀬川さんが、俺はもう女房孝行だけして子を育てることにきめたよと云って、段々張がなくなって、じじむさい男になって行くのをうれしがって見ていられること?」

牧子は、

「――そうねえ」