Japanische Klassiker mit Furigana
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ふうせんだまのはなし
風船球の話
小川 未明
Lesen Sie 風船球の話 (ふうせんだまのはなし) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 2.988 Zeichen · 6 Bildschirme
春の晩方のことで、往来の上は、黄色く乾いていました。お嬢さんは、お友だちとまりをついて遊んでいました。そのまりは、よくはね上がりました。そして、お嬢さんの体のまわりをおもしろそうに飛びました。けれど、遠くそこから離れて、どこへゆこうともしませんでした。
林の枝にかかった風船球は、一晩じゅう、そこで風に吹かれて、風にからかわれていました。明くる日になると、いつか窓からのぞいた小鳥がそこを通りかかって、気の毒そうに、そばの枝へとまってながめていましたが、なにもいわずに立ち去ってしまいました。風船球は、恥ずかしいので、べつに、こちらからは、言葉もかけませんでした。そして、ただ、糸の仕打ちをうらんでいました。
へやの中のたんすだけは、二つの、風船球がどうなってしまったか、その身の上について、すこしも知るところがなかったので、二つとも、幸福に暮らしていると思っていました。