Japanische Klassiker mit Furigana
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ふうぼう
風貌
小山 清
Lesen Sie 風貌 (ふうぼう) von 小山 清 (こやまきよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.448 Zeichen · 32 Bildschirme
太宰さんは「佐藤さんもひどいじゃないか。」と云っていた。この桃の絵は現在も太宰家の部屋に懸けてある。佐藤さんのことでは太宰さんはいつか私に、「僕は佐藤さんに対しては、地震加藤のつもりでいるんだ。」と云ったことがある。小山の奴、余計なことを云うと、太宰さんは云うかも知れない。余計と云えば、この文章自体が既に余計なものである。
余計ついでに書けば、太宰さんの上歯は義歯であった。そしてその義歯の製作に歯医者通いをしていたのが、ちょうど園子さんの生れた年の夏のことであった。その頃S君という少年が太宰さんの許に手紙をよこした。太宰さんはその手紙を私に見せて、素直な人のようだが、君逢って見ないかと云った。手紙の様子では、十九か二十の年頃である。私が年が違い過ぎるなと云ったら、太宰さんはちょっと疎ましい顔つきをした。太宰さんはS君に宛てて私を紹介する葉書を書いて私に見せた。「小山君は立派な人ですから」という文句が見えた。そのS君が竜泉寺町の私の店に訪ねてきた。S君は年は十九で、太宰治の作品を読むことを、その孤独な生活の唯一の慰めにしているような少年であった。私が太宰さんのことを作品の通りの人ですと云ったら、じゃ、いい人でしょうね、親しみのある人でしょうねとS君は云った。