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Japanische Klassiker mit Furigana

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きがちたいをあるく

飢餓地帯を歩く

下村 千秋

Lesen Sie 飢餓地帯を歩く (きがちたいをあるく) von 下村 千秋 (しもむらちあき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.478 Zeichen · 31 Bildschirme

Aozora Bunko

――私は出かけて行ったのである。

それは今から、十日ほど前、昨年十二月二十七日の午後一時頃であった。私は先ず、岩手県下で最もひどかったという地方――岩手県の御堂村という部落へ入って行った。ここは、盛岡市から北へ一時間ほど乗り、沼宮内という小駅で降りて、更らに徒歩で一里近く山手に入った所である。

空は晴れたり曇ったりしていたが、やがて、北の方からうす墨の雲が低く流れて来たかと思うと、粉雪がさァーッと降り出して来た。私は、オーバーの襟を立てて、田圃と畑との間の村道を歩いていた。それは、どろどろの道である。じっと立っていれば、泥は脛までも埋めそうな深い泥の道である。

私は、満洲の泥道を想い出しながら、短靴を靴下まで泥にして、山裾の村へ入って行った。と、子供が四五人、ある小さな藁家の軒の下にうずくまって、私を珍らしそうに見ている。私は、小学校を訪ねるつもりだったので、その子供達へその道順を訊いて見た。

「ここを行ったら、学校へ行けるかえ?」

「…………」

子供達は、顔を見合して黙っている。私は手をあげてまた訊いた。

「学校は、こっち、あっち?」

すると、一人の男の子が、その短かい手をあげて、