Japanische Klassiker mit Furigana
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くびきりもんどう
首切り問答
佐々木 邦
Lesen Sie 首切り問答 (くびきりもんどう) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.332 Zeichen · 17 Bildschirme
「有難う」
「僕は明日直ぐ帰る。その中に又出て来る」
「それまでに僕も丈夫になっているだろう」
「そう/\。君はズッと入院していて知るまいが、野郎転任したぜ」
「誰だい?」
「大友さ」
「ふうむ。何処へ」
「○○だ。隣県へ来やがった」
「それじゃ顔が合うかも知れないね」
「合ったところで属官じゃ仕方がない。早く出世をしたいよ」
「まだ諦めないのかい?」
「これを諦めたら、人生の目的がなくなってしまう。昨夜家憲として妻に話して置いた」
僕は事務官として地方廻りを始めた。野口君も方々歩いた。九州以来、十年間が夢のように過ぎ去った。しかし物事は予定通りに運ばない。僕は依然として課長ばかり勤めていた。四年スタートの晩い野口君がソロ/\肉迫して来た。同じ県で鉢合せをすることはなかったが、僕はいつも野口君の任地と東京の間に介在していたから、野口君は上京の帰途に必ず寄ってくれた。その折の話題は定り切って部長への憧れだった。地方官は部長にならなければ、物の数に入らない。僕は警察部長を心掛けていた。学務部長でも宜い。何方かに早くありつかないと、内務部長の椅子が廻って来ない。内務部長から知事、それから先は手腕と人格次第で局長次官大臣の可能性がある。