Japanische Klassiker mit Furigana
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うまのあし
馬の脚
Lesen Sie 馬の脚 (うまのあし) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.968 Zeichen · 23 Bildschirme
俺はあのオオクションへ行った帰りに租界の並み木の下を歩いて行った。並み木の槐は花盛りだった。運河の水明りも美しかった。しかし――今はそんなことに恋々としている場合ではない。俺は昨夜もう少しで常子の横腹を蹴るところだった。……
「十一月×日 俺は今日洗濯物を俺自身洗濯屋へ持って行った。もっとも出入りの洗濯屋ではない。東安市場の側の洗濯屋である。これだけは今後も実行しなければならぬ。猿股やズボン下や靴下にはいつも馬の毛がくっついているから。……
「十二月×日 靴下の切れることは非常なものである。実は常子に知られぬように靴下代を工面するだけでも並みたいていの苦労ではない。……
「二月×日 俺は勿論寝る時でも靴下やズボン下を脱いだことはない。その上常子に見られぬように脚の先を毛布に隠してしまうのはいつも容易ならぬ冒険である。常子は昨夜寝る前に『あなたはほんとうに寒がりね。腰へも毛皮を巻いていらっしゃるの?』と言った。ことによると俺の馬の脚も露見する時が来たのかも知れない。……」
半三郎はこのほかにも幾多の危険に遭遇した。それを一々枚挙するのはとうていわたしの堪えるところではない。